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Dear Me

*お茶くみという文化

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Dear Me

大学を卒業して就職した頃は
まだ一般職、という職種があった

いや、今もあるのかもしれないが
私が就職したときは
女子は「一般職採用」か「総合職採用」かを選ぶことができた

いかにも一般職っぽいタイプだった(周りから見たら)私が
総合職を選んだことで
周りの人たちからかなり驚かれたことを思い出す

******

初めての就職先は
大手の建設会社で
たくさんのグループ会社を束ねていた
採用はまとめて行われて
4月になったときにふさわしいグループ会社へと出向になる

私は賃貸の会社へ出向となる

最初は営業事務で
半年くらいしてから総務課へ異動し
そこから秘書の仕事をすることになる
とはいっても人事の仕事も総務の仕事もするし
教育の仕事もあって
マナー講習なんてのもやったような記憶がある

*********

さてさて
総合職とはいっても
女子は即戦力というにはまだまだ認められていなくて
どこかしら、「女の子」扱いをされていたような時代だった

けれど「総合職採用」だという気持ちで
なんだかイキがっていたなぁと
振り返ってみると思う

*******

入社3年目までは
全員にお茶を出すという習わしがあって
「○部長はコーヒーミルクなし」
「■課長はお茶がいい。濃いめの」
「△課長はお砂糖なしのコーヒーで」とかなんとか
マグカップまで決まっていて、そこに決まった飲み物を入れて
朝みんなの机において回る

飲みたいものを飲みたいタイミングで自分でいれた方がよっぽどおいしいのに
その頃はそれが「よし」とされていた
それが二年間は続いたかな


3年目の頃、
バブルも崩壊して、採用がなかった
すなわち新人さんが入ってこないということだ
3年目になっていっぱしの総合職きどりで
「朝に新入社員がお茶入れるとか、大変だし、人も入ってこないから
この習慣はもうやめましょう」とたんかを切って
自販機を導入したり
マグカップはやめてプラの使い捨てコップを導入したり。
今になって思えば
なかなか張り切ってたなぁとおもう

いっぱしの社会人になったつもりで
大人になった感覚で
社会を変えてやろうなんて思っていたんだろう

********

お茶くみなんて文化はほぼなくなっている
なんなら秘書ではあっても
ボスにお茶を入れることもない

いれようとしたこともあったけれど
「自分でやるから大丈夫」というタイプだし
おそらく家庭でもそういうシステムになっているんだろう

余計なことはしないでいいと思うから
一切いれることもないのだけれど
それはそれで、ちょっとさみしい時もある

誰かにいれてもらうお茶って
やっぱりおいしいし
嬉しいし,あったかい

あのとき全撤廃しちゃったお茶出しだけど
もしかしたら何かしらの潤滑油になっていたのかもしれないなぁなんて
もう30年以上前のことだけど
ふと思ったりした

もう会社で誰かにお茶をいれることもなかなかないけれど
今日は私のためにとびっきりおいしいお茶をいれようと思う

ABOUT ME
RAY
RAY
Essayist & Energyist
Sensual Labo.(センシュアルラボ研究所長) 素敵に年を重ねる女性たちを応援する研究所をFacebookグループで設立 * 大学では臨床心理学を学びカウンセラーをめざす。 病院実習中、過酷な現場を見て挫折。そのままOLに。 2015年にコーチ資格を取得。セッションを通じ現実の世界と見えない世界との理解が必要だと実感し、スピリチュアルカウンセラーとしての学びを深める。 日本古来から受け継がれている臼井レイキのmaster資格を取得し 通算50名以上の方にレイキ伝授をおこなう。 起業のためのマインド作りより 人生の幕引きの時に自分の生き方を振り返って ”ワタシの人生を生きた”と感じてもらえるような そんなことを伝えたいと思っています。 エッセンスのたっぷり詰まった コラムを毎日配信中
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