ひとりっ子

Dear Me
私には兄弟姉妹がいない
いわゆる「ひとりっ子」というやつだ
今の世の中じゃ、兄弟姉妹がいないことが多いけれど
私の同世代は大抵が上や下に兄弟姉妹がいる
世間話の中でも「兄弟は?」なんてことが普通に織り込まれていて
そのたびに「ひとりっ子なの」なんていうのが
とても嫌だった
正直若い頃は
「ひとりっ子」ということが私の中でかなりのコンプレックスで
「ひとりっ子なんだけど従姉妹と一緒に暮らしていたことがあるから
実際ひとりっ子って感じしないの」なんて
聞かれてもいないのにペラペラしゃべっていた
「ひとりっ子」だというと
そんな風に見えないね~とか
お兄さんがいると思ってたとか
大抵好き勝手なことを言われる
まあ、そういう場合は
「ひとりっ子」=わがまま、だったり
甘やかされて育った、だったりという思い込みがあって
「そうじゃないね」といういい意味で言ってくれるのだろう
本当にわがままなのか
声を大にして言いたいのは
「ひとりっ子」って意外にたくましくて
そして甘えられない性分(たち)の人が多いってこと
どこの家庭でも親の不仲が起こったり、病気があったりと
なんだかんだ出来事が起こると思うのだが
それを一手に引き受ける必要がある
親の具合が悪くて、近くに住んでいなければ
急いで実家まで帰らなくてはいけないこともあるし
親戚縁者に頭を下げる必要もある
金銭的に甘えることもあるけれど
逆に援助しなくてはいけないこともたくさんあって
それを「どうする?」なんて相談したり折半する相手もいない
親の愛を一心に受け取るから幸せよね、なんて思うかもしれないが
親の期待を一気に引き受けなくてはいけないから
そりゃあまあ、しんどいし、負担大だ
でもそれ以外の状態なんて知らないから
別に負担が大きいとも愛情いっぱいとも
そんなに思うこともない
誰かと比較することがあれば
そうかなぁと思うこともあるけれど
結局は当事者だからわかることがあって
当事者だから感じることがあって
そういうことをそれぞれの環境でそれぞれの人が感じて生きているから
この世界は成り立っているんだろう
どんな兄弟姉妹の環境に生まれても
それぞれそれなりに感じることも多くって
それぞれその中で大きく成長していく
兄弟姉妹の関係性はまた絶妙で色んな心理的な出来事もあるのだろう
だから色んな人間性が生まれて
だからこの世界は面白いんだろう
それは決して
当事者にならないとわからないことだ
だからこそ
兄弟姉妹が云々で
物事を決めつけるのはナンセンスなのだって
そう思う
何が言いたいかって
ほんとヒトソレゾレだってこと
それわかって生きていった方が
絶対楽だよってこと
思い込みが自分を傷つけたり
相手を傷つけることがたくさんあるってこと
少なくとも私は
ひとりっ子だけど
あなたの思い込みとはちょっと違うと思うってこと笑
ナンダカンダヒトソレゾレ